ピルエットがきれいに回れた日は、それだけでレッスンが楽しくなりますよね。
でも、同じように回ったつもりなのに、後ろへ倒れたり、すぐにかかとが落ちたり。何を直せばよいのか分からなくなることもあります。
私も長いあいだ試行錯誤を続けてきました。先生や回転が上手な人から教わったこと、ピラティスなどで学んだことを一つずつ試した結果、最近は2回転がかなり安定し、3回転も時々出るようになりました。
その中で感じたのは、一度に全部を直そうとしないことが大切だということ。まずは回れない原因を一つ考え、試すポイントも一つに絞ると、変化が分かりやすくなります。
ピルエットは、片脚をパッセ(ルティレ)に上げ、軸脚で回る回転です。この記事では、大人バレエで回転が安定しなかった私が、実際に試して変化を感じた7つのコツを紹介します。
- ピルエットが回れない原因の見つけ方
- 軸を安定させるために試した7つのコツ
- 顔の付け方とプレパレーションの見直し方
- 一度に直すポイントを絞る練習方法
体の使い方や先生の教え方によって、合う意識は変わります。レッスンで受けている指示を優先し、気になる項目から一つずつ試してみてください。
大人バレエでピルエットが回れない3つの原因

ピルエットが回れないときは、回数を増やす前に、どこで軸が崩れたかを確認します。
おすすめは、自分のピルエットを動画で撮ることです。教室で撮影するときは先生の許可を取り、ほかの方が映り込まないようにします。
動画を見ながら、まずは次の3点を確認してみましょう。
- パッセに上がったとき、骨盤や軸が傾いていないか
- プレパレーション、パッセ、顔のタイミングが合っているか
- 肩や首だけが固まり、お腹が抜けていないか
自分だけでは判断しにくい場合は、先生や信頼できるバレエ仲間に見てもらうのもおすすめです。
マイコやみくもに回数を増やすより、原因を一つ考えて試すほうが変化を見つけやすいと実感しています。


1. パッセが安定せず、骨盤と軸が傾く
私の場合は、パッセの形に大きな課題がありました。
脚を高く開こうとするあまり、骨盤を傾けたまま三角の形を作っていたのです。骨盤が傾くと軸も傾き、ルルベでまっすぐ立ちにくくなります。
動画では、パッセの高さだけでなく、左右の骨盤が大きくずれていないかも確認します。
2. プレパレーション・パッセ・顔のタイミングが合わない
回転は、プリエから立ち上がる動き、パッセ、顔が合わないと不安定になりやすいと感じます。
私には、軸ができる前にパッセへ急いでしまう癖がありました。プリエも十分に使えず、立ち上がる前に体だけが動いてしまうことがありました。
顔が遅れたり、怖さで首が固まったりすると、さらにタイミングを取りにくくなります。
3. 肩や首は力むのに、体幹を使えていない
「回らなくては」と思うほど、肩や首に力が入りやすくなります。
私も恐怖心から上半身を固めていました。その一方でお腹は抜けていて、軸に乗れない状態を腕や肩で支えようとしていたのだと思います。
力を抜くだけではなく、脇やお腹で上半身を支える感覚も必要でした。
2回転が安定したピルエットの7つのコツ


ここからは、私が実際に試して変化を感じた7つのポイントを紹介します。
番号順にすべて試す必要はありません。動画や先生の指摘を参考に、今の自分に当てはまりそうなものを一つ選んでみてください。
1. パッセの骨盤の位置を見直す
私が最も大きな変化を感じたのは、パッセにしたときの骨盤の位置です。
以前は脚を開くことを優先し、骨盤まで傾けていました。そこで、脚を無理に開くよりも、左右の骨盤をなるべく平行に保つことを意識しました。
最初は「いつもよりパッセが開いていないかも」と感じました。それでも軸に立ちやすくなり、回転の安定感が増しました。
脚の開き方やパッセの位置は、先生の指示も確認してください。無理に形を変えるのではなく、まずはバーでパッセに立った姿を正面から見ると分かりやすいですよ。


2. パッセにするタイミングを少し待つ
パッセへ上げる動きが早すぎると、軸脚で床を押す前に体が動いてしまいます。
私には、パッセ側の母趾球で床を感じる前に、脚を上げる癖がありました。ほんの少し待ち、床を押してからパッセへ上げると、軸を作りやすくなりました。
ただし、ゆっくりパッセを作るという意味ではありません。動き出しを急がず、脚を上げ始めたら早めに形を完成させるイメージです。



私の場合は、パッセの動き出しを急がず、上げ始めたら早めに形を完成させると安定しました。
3. プレパレーションのプリエを少し長く使う
プレパレーションでは、プリエを固めず、最後まで使い切ることを意識しました。
回り始める直前にすぐ立ち上がるのではなく、ほんの少しだけプリエを長く使います。私の場合は、それだけでもパッセのタイミングが合いやすくなりました。
大切なのは、低い位置で止まることではありません。膝を固めず、プリエからルルベへ動きをつなげます。
4. 体幹を育てる
筋トレだけでピルエットが回れるわけではありません。それでも私には、軸を支える土台づくりとして役立ちました。
腹筋やプランクを続けるうちに、脇やお腹へ力を入れる感覚が分かりやすくなりました。上半身の力みが減り、骨盤も安定しやすくなったと感じています。
長い時間を無理に続ける必要はありません。姿勢が崩れない範囲から始め、痛みや強い違和感があれば中止してください。


5. 脇でアームスを支える
回ることに意識を取られると、脇が抜け、アームスが下がることがあります。
腕が下がると重りのようになり、軸もぶれやすくなりました。そこで、腕を固めるのではなく、脇でアームスを支えるように意識しました。
- 避けたい形:肩や腕をガチガチに固める
- 目指した形:肩を上げず、脇でアームスを保つ
脇の感覚が分かりにくい場合は、回る前にアームスだけを保つ練習をしておくと、ピルエット中に意識しやすくなります。
6. 軸足の足裏で床を感じる
ピルエットでは回転数に気を取られますが、軸足が床を押せているかも大切でした。
私は、軸足の足裏、とくに母趾球のあたりで床を感じるように意識しました。足先だけに力を集めるのではなく、床を押して上へ立つイメージです。
最初は怖く感じるかもしれません。まずは回らず、バーでルルベとパッセを確認してから試すと安心です。


7. 0.1秒長く立つ
大人バレエでは、転ぶ怖さから、回り終わる前にかかとを下ろしてしまうことがあります。
私も早く降りる癖があったため、「いつもより0.1秒だけ長く立つ」と考えました。長くこらえるというより、回転の終わりまで上へ伸び続ける意識です。
ただし、バランスを大きく崩したときは無理に立ち続けず、安全に降ります。シェネなど次の動きへつなげる練習は、周囲に十分なスペースがあり、先生の指示があるときに行いましょう。
ピルエットの顔の付け方は回転と分けて練習する
顔が遅れる場合は、何回も回る前に、顔の動きだけを確認します。
まずは正面に目印を一つ決めます。ゆっくり体の向きを変えながら目印をできるだけ長く見て、顔を正面へ戻すタイミングを確認します。
首を強く振るのではなく、肩へ力を入れずに動かすことが大切です。慣れてきたら、4分の1回転や半回転と組み合わせます。
顔の付け方は先生によって伝え方が異なります。首に痛みや違和感が出る場合は無理に繰り返さず、先生へ相談してください。
ピルエット練習は一度に一つだけ試す
回転中に意識できることは、多くても一つ程度です。複数のポイントを同時に直そうとすると、何が良かったのか分からなくなります。
動画で失敗した瞬間を確認する
動画を見るときは、回転数だけでなく、最初に崩れた瞬間を探します。
- プリエから立つ前に脚が動いた
- パッセになったときに骨盤が傾いた
- 顔が戻る前にかかとが落ちた
- 肩が上がり、アームスが下がった
この中から、一番早く起きた変化を一つ選びます。
一つだけ変えて数回試す
直すポイントを決めたら、数回だけ試して動画や感覚を比べます。
たとえば「今日はパッセの骨盤だけ」「次はプリエのタイミングだけ」というように分けます。同じ失敗を繰り返すときは、回数を増やすより、仮説を変えてみましょう。



この繰り返しが、結果的に私には一番の近道でした。
回転数だけで判断しない
続けるかどうかは、実際に起きた変化で判断します。
- いつもより安定して立てた
- 回転数は同じでも、軸に乗れた感覚があった
- 先生から動きが良くなったと言われた
- 動画で骨盤や肩のぶれが小さくなった
一度で変化を感じることもあれば、続けるうちに感覚がつかめることもあります。少しでも良い変化があれば、次のレッスンでも同じ一項目を試してみます。
まとめ|軸を作る基礎を一つずつ見直そう
ピルエットを研究していくと、結局は普段のレッスンで練習している基礎へ戻ってきました。
プリエ、パッセ、脇、足裏、アームス。どれも、しっかりした軸を作るためにつながっています。
全部を一度に変える必要はありません。次のレッスンでは、今の自分に当てはまりそうなポイントを一つだけ選んでみてください。
動画で変化を確認しながら試行錯誤する時間も、大人バレエの楽しさの一つだと思います。

