発表会が決まり、「毎日少しずつ腹筋を続けてみよう」と決めました。
3ヶ月後、いちばん驚いたのはお腹の見た目ではありません。バーレッスンのバランスや脚の上げやすさなど、バレエの動きに変化を感じたことでした。
ただし、これは私個人の体験です。すべての人が毎日行う必要はなく、初心者なら週2~3回、5分程度からでも十分です。
この記事では、私が腹筋を続けて感じた変化と、大人バレエの筋トレを無理なく続けるコツを紹介します。
- 大人バレエで筋トレを取り入れる意味
- 毎日腹筋を3ヶ月続けて感じた変化
- 初心者が無理なく始める頻度とメニューの選び方
- 腰や首を痛めないために確認したいこと
- 腰、首、股関節などに痛みが出たら、その日は中止する
- 持病やけががある人は、先生や医療職に相談してから始める
- 強い疲労や体調不良がある日は休む
大人バレエの筋トレは、まず週2~3回からで十分
結論からいうと、バレエの上達に腹筋や体幹トレーニングは役立ちます。ただし、毎日たくさん行う必要はありません。
ダンサーを対象にした研究では、普段のダンス練習に筋力・コンディショニングを加えることで、筋力やバランスなどの身体能力が改善する可能性が示されています。
一方で、研究で行われているのは計画的なトレーニングです。「腹筋運動だけを毎日行えば、バレエが上達する」という意味ではありません。
初心者は、次の形から始めると続けやすいですよ。
| 頻度 | 週2~3回 |
|---|---|
| 時間 | 1回3~5分 |
| 強さ | フォームを保てる範囲 |
| 増やし方 | 慣れたら時間か回数を少しだけ増やす |
| 休む目安 | 痛み、強い疲労、体調不良がある日 |
習慣ができてから、短いメニューを行う日を増やしてもかまいません。大切なのは連続記録ではなく、痛みなく続けられることです。
「バレエで必要な筋肉はレッスンだけでつく」とは限らない
「バレエで必要な筋肉は、バレエのレッスンでつく」と聞くことがあります。
もちろん、正しい身体の使い方で十分な回数を踊れる環境なら、レッスン自体がトレーニングになります。
でも、大人バレエは週1~2回の人も多いですよね。振りを追うことに夢中になり、お腹や内腿を意識する余裕がなくなる日もあります。
私も、レッスンだけでは身体の使い方がなかなか変わりませんでした。ピラティスを始め、狙った筋肉を意識する練習をしたことで、先生から「身体が別人みたい」と言われるほど変化を感じました。
このときの体験は、大人バレエにピラティスを取り入れた記事でも紹介しています。
この経験から、私は「バレエで筋肉をつける」だけでなく、「使いたい筋肉を別の時間に確認し、レッスンで使う」という順番も、大人には合っていると感じています。
毎日腹筋を3ヶ月続けて感じた4つの変化
ここからは、私自身が感じた変化です。医学的な効果を保証するものではありませんが、大人バレエの一例として紹介します。
バランスを保ちやすくなった
パッセやアティテュードで、以前より落ち着いて軸を探せるようになりました。
身体を固めるというより、お腹まわりで姿勢を支えながら上へ伸びる感覚です。ぐらついたときも、脚だけで踏ん張ることが減りました。
脚を上げるときにお腹を意識できた
以前は「腹筋を使って脚を上げて」と言われても、正直よくわかりませんでした。
腹筋を続けているうちに、デベロッペで脚が少し軽く感じる瞬間がありました。「今、お腹で支えているかも」と初めてわかったのは、小さいけれどうれしい変化でした。
回転の終わりに余裕が出た
ピルエットは腹筋だけで回るものではありません。顔の付け方、プレパレーション、軸足など、いくつもの要素が必要です。
それでも、お腹まわりを意識できるようになってから、回転中の姿勢と着地が以前より安定しました。降りた後のポーズまで意識する余裕も少し出てきました。
回転全体の見直し方は、ピルエットのコツをまとめた記事も参考にしてください。
立っているときの骨盤位置を意識しやすくなった
私は反り腰になりやすく、前腿が張ることにも悩んでいました。
腹筋を始めてから、普段の立ち姿でも「お腹の力が抜けていないかな」「骨盤が前へ傾きすぎていないかな」と気づきやすくなりました。
腹筋だけで反り腰が治った、ということではありません。自分の姿勢に気づけるようになったことが、私にとって大きな一歩でした。
バレエの腹筋は「前だけ」ではなく体幹全体を考える
バレエで姿勢を支えるには、お腹の前側だけでなく、脇腹や背中、お尻なども一緒に働きます。
そのため、上体を何度も起こす腹筋運動だけに偏らず、体幹を前後左右から支えるメニューを選ぶとよいですよ。
動画やレッスンを選ぶときは、次の要素が入っているか確認します。
- 仰向けで手脚を動かしても腰が反らない練習
- プランクなど、胴体をまっすぐ保つ練習
- 横向きで脇腹を使う練習
- 背中やお尻も使う練習
- 呼吸を止めずに姿勢を保つ練習
難しい種目を増やすより、狙った場所を感じられるフォームを優先してください。
体幹全体を使いたい日の動画
お腹の前側だけに偏らず、体幹全体を動かしたい日は、こちらの動画も取り入れやすいですよ。無理に最後まで続けず、腰や首に違和感が出たら中止してください。
初心者は3分・5分・10分のメニューを用意する
私はYouTubeで、3分・5分・10分の腹筋動画をいくつか選びました。
その日の時間と体調に合わせられるので、「今日は10分できないから、何もしない」という状態を防ぎやすくなります。
3分メニュー
忙しい日や、習慣を作り始めた時期に使います。短くても、フォームを確認しながら行えば十分です。
5分メニュー
基本のメニューとして使いやすい長さです。最後まで姿勢を保てる動画を選びます。
10分メニュー
3~5分に慣れ、翌日に強い疲れが残らなくなってから試します。
再生時間よりも、「腰や首に痛みがない」「呼吸を止めない」「最後までフォームを保てる」を優先してください。
腹筋を習慣にする4つのコツ
「何時にやる」より「何の後にやる」を決める
私は時間ではなく、普段の行動と腹筋をセットにしました。
- 朝、顔を洗った後
- 在宅勤務を終えた後
- お風呂をためている間
- バレエの準備を始める前
予定がずれても、行動とセットなら思い出しやすくなります。
疲れた日は短くするか、きちんと休む
疲れている日に10分を無理やり行う必要はありません。3分へ短くする、回数を減らす、休むという選択肢を用意しておきます。
筋肉の疲れと、腰や首などの痛みは別です。痛みがある日は続けず、フォームや身体の状態を確認してください。
連続記録より「再開力」を大切にする
体調や予定によって、できない日はあります。
一度休んだからといって、これまでの積み重ねがゼロになるわけではありません。体調が戻った日に短いメニューから再開すれば大丈夫です。
バレエでどう使いたいかを決める
目的が具体的だと、筋トレを続けやすくなります。
- パッセのバランスを安定させたい
- デベロッペで脚を軽く上げたい
- ピルエットの着地まで丁寧に見せたい
- ポワントで上体を引き上げたい
私は発表会の振付の中で、「ストゥニューの後のバランスをきれいに見せたい」と具体的に決めていました。
腰や首がつらいときは、回数よりフォームを見直す
腹筋をしているのに、前腿、腰、首、腕ばかりがつらくなることがあります。
これは「根性が足りない」という話ではありません。今の種目が難しすぎるか、フォームを保てていない可能性があります。
私はプランクで腕と肩ばかりがつらくなり、ピラティスのトレーナーに相談しました。身体の支え方を教えてもらうと、腕の負担が減り、お腹を意識しやすくなりました。
次の状態が続く場合は、自分だけで回数を増やさないようにします。
- 腰や首に痛みが出る
- 呼吸を止めないと姿勢を保てない
- 前腿や股関節の前側ばかりがつらい
- プランクで肩や手首に強い負担を感じる
- 翌日も日常動作に困るほど痛む
バレエの先生、ピラティスやトレーニングの指導者、必要に応じて医療職に見てもらうと安心です。
参考にした研究・指針
ダンサーの補助的な筋力・コンディショニングについて:2024年の系統的レビュー・メタ分析
ダンサーの体幹安定化トレーニングについて:8週間の介入研究
筋力トレーニングの頻度について:ACSMの指針
研究結果は、個人の体験を保証するものではありません。年齢、経験、けがの有無に合わせて調整してください。
まとめ|毎日より、正しく続けられる腹筋を
毎日腹筋を3ヶ月続けたことで、私はバランス、脚の上げやすさ、回転の安定などに変化を感じました。
ただし、大人バレエの筋トレは毎日でなくてもかまいません。まずは週2~3回、3~5分から始め、痛みなく続けられる形を探すのがおすすめです。
大切なのは、腹筋の回数を増やすことではなく、鍛えた体幹をレッスンの動きへつなげることです。
今日できそうなら、まず3分だけ。休んだ日があっても、また再開すれば大丈夫ですよ。

