この悩み、レッスンとは別に身体の感覚を鍛えることで改善していくんです。
私も長いこと「レッスンをするわりに上達している気がしない」と悩みました。
そこで、ピラティスに通い出したところ、3ヶ月で「身体が激変した!」と先生に驚かれました!
なので、昔の自分に言いたい。
「いいから早く行け!バレエの上達が加速するよ」
ピラティスでの効果はざっとこんな感じです。
- バレエでほしかった身体の使い方・感覚を手に入れることができる
- 3ヶ月で先生に身体が激変したと言われた
- 「脇立てる」「肋骨締める」「内腿筋」を意識的に動かせる
ピラティス体験をすると、目からウロコどころじゃない!
プロバレリーナでも通う理由を体感。
この記事は、ピラティスに2年ほど通った感想と結果をシェアします。
レッスン回数を増やしても上手くならない理由

長くバレエをしている大人バレリーナに伝えたいことがあります。
それは、ただやみくもにレッスンをする、回数を増やしても上達しないよ、ということです。
「肋骨を締めて」「引き上げて」「脇を立てて」などのおなじみの注意をずーっと受けている、バランスもうまくとれないし、ピルエットも安定しない・・・
そして、小さい頃からやっている人や再開組との差を感じて落ち込んでしまう、羨ましくなることはないですか?(私はあります!)
もう初心者とも言えないバレエ歴で、レッスン回数も増やしてみたいのに、上達を感じられないのはツライですよね。
特に発表会などでは、自分の実力を痛感してしまいます。。
「じゃあ、もっとレッスン増やさないと!」
と思うかもしれませんが、ここで周囲を思い出してみてください。
自分より歴が長くレッスン回数が多い人は、目標にしたいくらい上手な人ばっかりですか?(辛口でごめんなさい)
私は自分がレッスンの割に上達しないことに疑問を持ったとき、冷静に周囲を観察してみました。
正直なところ、週5日やっているレッスンメイトでもあまり上達しているように感じなかったんです。(失礼なこと言ってすみません。。)
レッスンを増やすことは解決策にならないかもしれない、と立ち止まった瞬間でもありました。
「レッスンさえ増やせば!」は危険
レッスン回数を増やしたら比例するように上達するかと言うと、そうではありません。
「正しい身体の使い方」でレッスンをする必要があります。
- 反り腰で骨盤の位置がズレる&腹筋が入らない
- 肋骨が締まらず、背中が反っている
- 股関節がうまく使えなくて、パッセで身体がもっていかれる
正しくない身体の使い方でレッスン量だけ増えてしまうと、怪我の可能性が高まるのも怖いところ。
キレイなバレエを踊る大人がいる一方で、なんだか美しく見えない組に入ってしまうかもしれません。。
鍛えるべきは「身体の感覚」
お金も時間も情熱も使ったのに「熱心だけど上達しない、美しく見えない」未来を避けるために大事なことは、たった1つ。
身体の感覚を磨き、細かい部分まで意識できるようになる
え?って思ったかもしれないですが、多くの大人バレリーナが注視しないところなんですよ。
「とりあえず練習さえすれば!」となっている人が多いので、肝心の「上達できない理由」について深く考えていないのです。
レッスンさえ受けていればと思っているかもしれませんし、ついつい「先生の言うことをきいていれば」となっているのかもしれません。
でも「先生の注意をいつまでも直せない」から困っているのでは?
身体の感覚が鈍いことを認める、ことが大人バレエが上達する第一歩なんです。
正しい身体の感覚が踊りを変える
バレエは正しい体の使い方が、パフォーマンスにダイレクトに影響します。
正しい身体の使い方をしたら、キープできるし、回れるし、見た目も美しいのです。
だから、レッスン中はさまざまな身体の注意を受けますよね。
でもその場で、ひとつひとつ直す時間はありません。
「肋骨を締めて!」
「引き上げて!」
「肩甲骨を広げて」
と注意はしてもらっても、次々にレッスンは進んでいきます。

ん?これであっているのかな?
結局、注意された「肋骨を締める」「肋骨を締める」感覚を得られないままレッスンが終了。
そして、また同じ注意を受けます。
なので同じレッスンを繰り返していては上達はしません!
同じことが起こるだけ。
たまにできることもありますが、大事なのは「再現性」。
「締める」「引き上げる」「肩甲骨の位置」を意識的にできるようになっていないといけません。
けど、正しい身体の使い方をレッスン中に感じることが難しいので、レッスンとは別にその感覚を磨くことが重要。
そこで、おすすめなのはピラティスです。
ピラティスは「正しい身体の感覚を鍛え」、それを維持できるようにトレーニングすることができるんです。
ピラティスとは


ピラティスは、バレエをしていなくても知っている人は多くいるはず。
スポーツクラブのスタジオレッスンでもよく見かけます。
でも「負荷が比較的軽いエクササイズ」「体幹トレーニング」と思っている人も多いのでは?
ピラティスとは
ピラティスは、ドイツ人のジョセフ・ピラティスが開発したエクササイズのこと。
第一次世界大戦時、負傷兵のリハビリのために開発されました。
今でこそ、インナーマッスル(体幹)が重要であることは、多くの人は知っていますが、ジョセフはこの頃から、その大切さを提唱。
今では、リハビリとして病院に取り入れられたり、アスリートやバレリーナの身体機能向上として取り入れられています。
ピラティスの目的は「動きの質を高める」こと
ピラティスの目的は、「身体を正しく動かし、質を上げていくこと」です。
なので、正しい骨の位置や筋肉の使い方を指導されます。
それも身体の連動を意識したものなんです。
一例をあげてみます。
例えば腹筋を鍛えるとして、お腹だけに注目するのではなくて、下記のように全身チェックがはいるんです。
- 前腿に力が入っていないか
- 首に力が入っていないか
- 骨盤は正しい位置にあるか
なので、ひとつひとつの動きは、見た目はとてもシンプル。
でも実際には、結構大変です^^;
身体の歪みや癖も丁寧に直していけるので、身体が変わるのがとても早いんですよ。
変わった身体でバレエを練習するのをイメージしてみてください。
- すっと立っただけで締まっているおしり
- 「肋骨を締めて」と言われたら、意識的に締められる
- 先生に「それ!」って褒められる
- 身体が整っているから、バランスが取りやすいし無駄な力みも減ってくる
ピラティスで受ける指摘は、驚くほどバレエと同じだった
- 脚の外旋が弱い(アンデオール)
- 肋骨が開いている
- 反り腰気味
- 股関節がうまく使えていない
- 肩が上がるクセがある
バレエでもお馴染みの注意ですよね。
そして、ピラティスは言葉だけの注意ではなくて、そこをトレーニングします。
「肋骨を締める」を集中してやる、イメージです。
特にプライベートレッスンだと、できるようになるまでやってくれます。
このピラティスで得た体感をバレエでも使えるようになるから、上達するというわけです。
ピラティスの種類
マットピラティスとマシンピラティス
マットピラティスというのは、ヨガマットの上で器具などをあまり使わずやるピラティス。
ボールとかの道具を使うことはあります。
マシンピラティスは、ピラティス専用のマシンを使って行うピラティス。
おススメは断然マシンピラティス。
なぜマシンを使うかというと、本当に使いたい筋肉を集中的に鍛えられるから。
どうゆうことかというと、前腿ばっかり使って、内腿が起動しない!みたいな経験ないでしょうか?
もう前腿しか動かない、みたいな。
そんな状態で内腿を鍛えるのは至難の業。
そのためには、自分が使いやすい筋肉を使わないようにすることも大事。
そこで、ピラティスはマシンを使って内腿だけに効くトレーニングをするのです。
マットピラティスってスポーツクラブでもありますけど、難易度高いんですよね。
細かい筋肉を使いたい大人は、マシンピラティスを選ぶのが正解。
レッスンの種類|グループとプライベート
ピラティススタジオには、2つのタイプがあります。
- プライベート専門
- 少人数でやる
- 少人数とプライベートが選べる
お財布にやさしいのは、やっぱりグループ。
けど、最初はプライベートをおススメします。
体験だけでもプライベートを受けた方がいいです。
的確に自分の癖を指摘してもらえ、その人にあったエクササイズをしてくれます。
1回だけでも十分すぎる気づきがありますよ。
基本はグループレッスンで、プライベートを時々するのもあり。
バレエ以外にもメリットがたくさんある
ピラティスはバレエに効果絶大ですが、それ以外にもこんなメリットがあるとされています。
- 姿勢改善
- 肩こりや腰痛の解消、軽減
- ダイエット
- 冷え性の改善
友人はひどい肩こりなんですが、1回のピラティス体験で驚くほど改善したそうです。
いつも行くマッサージより安かったと。
ピラティス体験した友人、10人以上がピラティスを始めた
私は感動が大きかったので、いろんな友人にピラティスを勧めまくりました 笑
10人はいたと思うのですが、1人以外全員ピラティスに入会。
やめられない、とハマる人続出です。
(後日談ですが、入らなかった一人もついにピラティススタート!)
感想まとめ
- とにかく身体が軽くて楽!止められない
- ひどい肩こりが治って、アームスが使いやすくなった
- 体幹がついてきて、キープ力が上がった
- ヨガより全然バレエに効いた
- 長年の腰痛が良くなっている


【体験談】ピラティスに通いだしてからの身体の変化


ピラティスに通いだして3ヶ月ほど経ったとき、先生から「どうしたんですか!身体が激変しています!」って急に言われたんです。
先生にピラティスに通っていることは言っていませんでした。
ただ、バーについたときに自然にキュッとなるおしりや引き上げ、脇を立てる意識がついてきたことが見えたそうです。
おもしろかったのは、「最近、ピラティスに行きました?」って先生が当てられるようになったこと 笑
ピラティスに行ってきた翌日のレッスンは、身体が明らかに変化していたみたいです。
次の章で、具体的にどこが変わったかをご紹介しますね。


【具体例】ピラティスの指摘でバレエに活かせたこと


ここからは、私が実際に体験したピラティスで得た体感とバレエの身体の使い方についてご紹介します。
ここで紹介する以外にもたくさんのことを学べました。
そしてバレエに使えるようになったのですが、とりあえず4つご紹介。
アンデオール
ピラティスだと「脚の外旋」といいます。
股関節の外旋だけではなくて、ふくろはぎの外旋も大切なポイント。
よくある注意
- もっとアンデオールして
- インになっている
- 足先だけで開かない
バレエでお決まりの注意といってもいいアンデオール。
ピラティスでも脚の外旋についてはチェックされますし、トレーニング対象になっていることが多いです。
ピラティスでトレーニングしたこと
マシンピラティスで、前腿を使わないように内腿の外旋をトレーニングします。
寝た状態で内腿をダイレクトに感じられるようなトレーニングで、骨盤の位置も正しく矯正されます。
「どうして外旋が弱いのか」をトレーナーが判断し、その人に合わせておしりを使うトレーニングなどカスタマイズが入ります。
バレエと同様に、ピラティスではふくろはぎの外旋も指摘されることも。
正直、10年以上バレエを習ってきて内腿が使えてないと言われるとは思いませんでした 笑
バレエへの効果
- 立った状態で内腿に力を入れることができる(内腿だけ使うがわかる)
- 足先だけのアンデオールの癖が減ってきて、股関節から回す意識が入りやすい
- アンデオールができることで、力まずにキープできる
肋骨
肋骨の開きもピラティスではよく注意されますよね。
反り腰が多い女性に多いのかもしれません。
よくある注意
- 肋骨締めて
- お腹が開いてる
- 背中をまっすぐ
- 腰を伸ばして
肋骨が開いている状態は、身体のあちこちが問題を起こしてしまいます。
肋骨が開いているということは、背中もスラっと伸びてはいないし、お腹に力を入れることもできません。
ピラティスでのトレーニング
寝た状態でしっかりと肋骨を締める感覚を掴む練習をしました。
それができた上で、手足の動きをいれて、肋骨をおさめた状態で運動できるようにトレーニングします。
肋骨が開くと反り腰になっている確率が高くて、腹筋しても腰が痛くなりやすいです。
しっかりと締めた状態で腹筋を使うことで、正しい姿勢に必要な筋肉を鍛えることができました。
バレエへの効果
- 「肩甲骨立てて」が体感として入ってきた
- 肋骨を締めてという注意を長いことされてない
- 引き上げの感覚を得た
- 「反り腰」の感覚がわかったので、注意されてもすぐ直せる
股関節
ピラティスの体験に行った時、真っ先に言われたのが「股関節が上手く使えていませんね」でした。
え?バレエやってるんだけど?? って思いましたw
上手く使えてない理由は、股関節と骨盤が連動して動いてしまっていること。
骨盤を安定させた状態で、股関節を上手く動かすことができていなかったんです。
よくある注意
- 股関節をしっかり折りたたんで脚を上げて
- 股関節から身体を折って(前のカンブレ)
- 骨盤を立てたままで!
ピラティスでのトレーニング
股関節と骨盤を分離する動きは、地味でしたが効果は絶大でした。
見た目はできているようで、意外と上手くできていないパッセがうまくできない理由もここだな、と思います。
骨盤が安定しないと、キープも難しいですよね。
股関節と骨盤を別々に使う体感を得ると、ちょっとしたストレッチも効果的にできるようになるんです。
バレエへの効果
- 骨盤を安定させる体感があるので、キープできないときに修正できる
- デベロッペのときに骨盤がもっていかれないようになった
- 股関節からしっかり脚を折ることで、足が楽にあがるように
- ピルエットが安定
肩・肩甲骨
股関節と骨盤が連動してしまった様に、肩と肩甲骨も連動しやすいです。
あるとき、トレーナーさんが壁に背中(肩甲骨あたり)と肩をぺったりつけて、腕を上げてみてください、と言われました。
要は、鎖骨をきれいに一直線にした状態でのアンオーです。
これができなかったんですよ 笑
肩をつけたままだとあがらない。(今は上がるようになった!)
よくある注意
- 肩を下げて
- 肩甲骨を平らに
- 背中を丸めないで
- 脇を締めて、使って
ピラティスでのトレーニング
肩を下げたまま腕をあげるエクササイズが有効でした。
バレエをしていてもPC仕事だと巻き肩のクセがついてしまいます。
これを解消していくと、肩甲骨と肩が連動しなくなってきました。
あと、「肩甲骨を立てる」「背中をまっすぐにする」体感も得られます。
たぶんこれかな?だったものをインストラクターさんと鏡を見ながら、ここが正しい位置という動きを繰り返し練習。
自分のまっすぐだと思う感覚は、最初は疑っていい 笑
これは骨盤とかにも言えますが、まっすぐと言われたポジションは、斜めに感じたりタックインに感じたりもします。
おそろしいですよね^^;そんな感覚でバレエが上手くなるワケない・・
バレエへの効果
- 鎖骨を張ったままでアンオーができるように
- アームスのラインが改善したと先生に言われました
- 背中が使いやすくなったので、キープ力UP
- 脇を締める感覚があり、複数の先生に「使えるようになっている」と言われた


ピラティスのすごさは、バレエ歴が長い人ほど実感できるのではないかと思います。
長年の悩みや上手くできない動きに解決の糸口が見えてくるからです。
「あぁ、そういうことだったのか!この筋肉は使ったことがない」
という感覚をたくさん浴びることになります。
おすすめのピラティススタジオ


ピラティススタジオは、「マシンピラティス」ができるところを選んでください。
マットピラティスしかできないところと、スポーツクラブのピラティスはおすすめできません。
正しい効果を得るまでに時間がかかるためです。
zen place ピラティス
ピラティススタジオの大手で、全国125店舗!
全店舗にマシンピラティスを配置しています。
- マシンピラティスのプログラムが充実
- グループレッスンもプライベートレッスンも選択できる
- インストラクターは全員有資格者
- 所属スタジオ以外でもレッスンが可能
- 25歳以下と70歳以上は割引あり
- キャンペーンをよく実施している




BDC Pilates
マシンピラティス専門店で、プロダンサーを養成するブロードウェイダンスセンタープロデュースのスタジオ。
- ロイヤルバレエ団ベネット・ガーサイドがアドバイザー
- マシンピラティスの専門店(マットなし)
- 都内と二子玉川にしか店舗がない
- 義足ダンサー大前光市さんも通ったそう


ピラティスK
女性専門のマシンピラティス専門店。グループレッスンでお手頃価格なのが特徴。
- マシンピラティスの専門店
- 価格が他社より安い傾向
- 他のフィットネス乗り換え割あり
- フォーブスジャパン・ウーマンアワードを2021年に受賞
- 音楽に合わせてトレーニング


マシンピラティス【ララアーシャ】
学芸大学と池袋にあるマシンピラティススタジオ。
グループレッスンが中心だけどパーソナルもあり。


おまけ① そのストレッチ、もっと効果出ますよ
家で動画見ながらストレッチをしていても、「あ、体に効いてる」って思えるようになりました。
または、「左の脇腹が縮んでる、直さなきゃ」みたいな。
アキレス腱を伸ばすストレッチも足裏の向きを正しく整えるだけで、ふくろはぎの伸び感が全く違ったんですよね。衝撃・・
知識と体感がピラティスで身に付くとストレッチの質はぐっと上がります。
おまけ② バレエの何かが「見えてくる」
どんどん自分の中で、細かな神経が育成されるというか・・体の感覚がよくなってくるんです。
そうなると、インスタ/Youtubeで見かけた美しいバレエのポーズや動画をみるだけで、下記のようなことがわかってくるんです。
「鎖骨ラインを残して、アームスがしっかり動いている」
「アラベスクの肩甲骨の位置はあれか・・」
「パッセするときに、本当に脇の長さが変わってない!」
なんていうか、気づきがどんどんでてきて、「意識の確変」が起きるんですよ。
そうすると、レッスンでトライしてみたいことが増えて、バランスが取れるようになったり、ポーズを褒められたりしてきます。
まとめ
- 身体の使い方は体感を入れると、ぐんと伸びる
- ピラティスで集中的に体の使い方を入れると、バレエでも使える
- 身体の不調も改善されるので一石二鳥

