「バレエが下手だ」だと思えるときが伸び時です

大好きなマンガ「ミステリーと言う勿れ」にあった「下手だと思うときが伸び時です」というセリフが刺さった話。

目次

練習の過程で

バレエもそうなんだよね、とすごく腑に落ちた言葉でした。

ざっくりですが、レベルが上がっていくステップはこんな感じ。

1.習いたて

最初はステップに付いていくのが精いっぱいだし、先生の言っていることが意味不明。(フランス語だし)

とにかく順番を覚えるのに必死。

だから「自分は初心者でできなくて、当たり前」

とにかく練習に参加する時期

2.「よくあるパ」を覚えた時期

アラベスクやピルエット、ピケ、エシャッペなどよく出てくる「パ」がわかってきて、できるようになりたい。

簡単なアンシェヌマンなら覚えられる。

3.アンシェヌマンのパターンもわかってきて、ついていけるようになった時期

回転数を増やしたいとか、脚を高く上げたい、バランスを長くとりたいなど思う時期。

ここが結構長い気がする。

3が長いのは、「回ろう!」って思っても回転数がなかなか増えるわけじゃないし、「バランスとる、ウッ(力こめる)」ってしても、バランスは取れたり取れなかったり・・

練習回数だ!といってやってみても、できたりできなかったりを繰り返す。。

試行錯誤を繰り返す中で、いろんな気付きが起きてきます。

<一例>

  • やっぱりアンデオールなんじゃないか
  • 引き上げとは?(改めて)
  • 筋力不足

この辺りで大人バレエの中でも分岐していくなと思うことも。

思わず見ちゃう大人バレエで上手なひとたち

ある知り合いが週7日でバレエする人に対して言ってたこと↓

「ただ練習すればいいわけじゃない。全然うまくなってないじゃん」

手厳しい!って思いつつも、確かに。。

ただやみくもに練習回数を増やしても上達しないんですよね。

手厳しいコメントの友人もすごく練習する人で、パーソナルレッスンもしています。

そしてメキメキとキレイに踊れるようになっている。

基礎を大切にしていて、筋トレもしている。

その結果、ずっと1回転だったピルエットもあっさり2回転。

しかもキレイで安定的!

観察しているとアンデオールも引き上げも、内腿を使った動きも意識しているのが見て取れる。

話していても本人がそこを大事にしているのがわかる。

もうひとり上手な友人がいて、その人のバレエは「踊りだ」って思わされます。

動きや体操じゃなくて、バレエ。

音の取り方も合っているし、バリエーションになると見せどころが分かっている感じ。

舞台鑑賞が好きでよく一緒に観に行くのですが、本人曰くそのおかげとのこと。

作品の音楽や振りの特徴が頭に入っているのだと思います。

これは結構大きな差だなと思うこともあって、数人で踊る時は彼女に目を持っていかれる。

同じくらい練習しているのに差が出る理由

同じくらい練習して、同じくらい舞台もたくさん見ているのに差が生まれる。

運動神経とかセンスもあるかもしれないけど、「バレエをみる目」が違うのかなって感じました。

これ経験ある人多いと思うんですが、発表会のDVDとかを見て”自分下手だな!”って顔を赤くする経験 ^^;

初期の頃は、グラグラしているとかつま先伸びてないとか、表情が必死。

けど、経験が深まると違うところも気になってきますよね。

上半身の動きが寂しいな、肩回りが美くしない、早い動きの時に5番が汚いとか。

この「下手だと思える時」、きっと自分のバレエを見る目がひとつ上にあがったサインです。

見る目が深まったから見えるものがでてくる。

それはレッスンでもそうで、最近の私の経験だと「ストゥニュー」。

初心者の頃は、両足のパで複雑でもないから、簡単に思えるやつ・・

実際は思っている以上に難しいですよ。スムーズに回ってピタッと止めないといけないから。

さらに経験を積むと、「ストゥニューが美しく見える差はなんだろう」という風に思うようになります。

▽美しいストゥニューの観察結果

  • 派手に難しくない分、上半身のボディが際立つパ
  • しっかりと引き上がった上体を魅せる
  • グラグラするのはもちろんダメ
  • ルルベ5番も細く
  • 回る時に肩をあげない、美しい水平を保つ
  • 回り終わって真正面は、子どもっぽくなる。おへそと顔の位置が重要
  • 回る前の柔らかいプリエ、顔の向きで印象が変わる
  • 内腿アンデオールしたままを意識しないと、後ろ向いた瞬間に6番ルルベになりやすい
  • 内腿が張っていて、ピタッとくっついている

などなど・・ 初心者時代では見えなかったことが見えてくる。

ストゥニューを何度も練習する機会は、もうあまりないです。

基礎的なパだし、さらっと進むことが多い。

でも先生や上手な人と何かが違う!のが分かるようになった。

できていたつもりが、全然だったことに愕然とします。

『ホントに下手だったな』

と実感するとき。

でも出来るようになる、という糸口を見つけた気持ちにも。

気付くことができると、練習が変わります。

意識を配っていなかったことに気を配るし、鏡チェックも見るところが変化。

また、レッスンメイトの動きもよく観察できるようになります。

先生への質問もでてくる。こうなると、バレエの質が静かに向上。

だから「下手だと思える時が伸び時」。

同じパでも見る目が深まることで、また見えてくるものが変わってくる。

ループしながら昇っていくんですよね。

目を深めるのはどうやって?

レッスン後の更衣室で、「ピルエットで何を気を付けているの?」と質問されたことがあります。

だぁーっと注意を向けていた箇所を一気に放出。

  • バランスが崩れても肘は死守する気持ち
  • 左脇が縮みやすい癖があるから気を付けている
  • 見るところを定めて首をつける
  • おしりをほどかない
  • プレパレーションは思っているより重心を前でとる
  • プリエは思ってるより、深くする

みたいな話をしたら、

「そんなに気を付けて踊っていると思わなかった!力まずにスッと回っていたから」

と言われました。

いや、めっちゃ考えています 笑

力みがなく見えたのは、そう回れるように練習しているから。

力みのあるピルエット(たくさん回るのは別)は、なんか美しくないと思った。

で、何が美しいのかを観察して試行錯誤した結果。

では、どうしたらそんな気付きが得られるの?

私が実践している3つのことを紹介します。

レッスンで他人を観察

他人から得られる情報はたくさんあります。

見習うところもあれば、気を付けようポイントも。

先生のお手本はキレイですが、一番分かりやすいのは比較対象がいること^^(自分のことは棚に上げます。ゴメンナサイ。)

上手なジュニアちゃんがいるクラスだと、とても分かりやすいです。

アラベスクも脚の高さはそう変わらないのに美しさの差はどこ?みたいに観察・・

間違い探しではないですが、比較することで身体の使い方やライン(体型の事ではなく)の差がどこで生まれているか見えてきます。

または、Instagramでレッスン風景を投稿しているお教室の動画を見てます。

プロダンサーや上手な人の動画もいいんだけど、美しすぎるのが当たり前でどこが良くないかがわかりにくい。

なので、大人バレエの動画(もしくはレベルが近いなとおもうやつ)はオススメ。

いろいろ勉強になります。人の振り見て我が振り直せ・・というやり方。

舞台を観る

バレエ習っているのに公演を観に行かない人って思っているより多いです^^;

一度も見たこと無い人もいらっしゃった。チケットはお安くないですが、その分の価値はある。

純粋に舞台を楽しむこともできるし、学ぶ視点で見てみるのも面白いもの。

音の取り方やバリエーション特有の振り、見せ方など何度も見ていると素敵ポイントがわかってきます。

先日レッスンの中で、キャラクターステップがありました。

ほとんどやったことないんですが、リズムやアクセント、身体の向きなどが舞台鑑賞で頭に入っているので、すんなりとできたんです。

先生からもすぐにOK。これは舞台鑑賞の賜物だなと感じた出来事でした。

先生とレッスン後に雑談していたんですけど、教えている子供たちがバレエを見ないので、ステップだったりヴァリエーションを教えるのが難しいと^^;

音や踊りの特徴が頭にないんです。

マシンピラティス

これまでの2つは「観察眼」で気付きを得る方法でした。

ピラティスは、身体の構造を知り、自分の身体のクセを知る「体感」で気付きを得る方法と言えます。

「肋骨締めて」

「内腿を使って」

「肩甲骨から動かして」

などお馴染みの注意。

力を入れるけど合ってるかわかんないことありませんか?

ピラティスはこの辺をじっくり意識させてくれます。

マシンを使った方がいいのは、使いたくない筋肉や変な体のクセを封じ込めるため

  • 内腿が使えないために、外腿を使ってしまう
  • ふくろはぎが頑張りすぎ
  • 肩に力が入ってしまう

違うところに力が入ると、本当に使いたい筋肉を動かすことができなかったりします。

身体の仕組み上・・ なのでマシンを使って、本当に鍛えたいところを鍛えるんです。

ピラティスを始めて3か月くらいしたとき、おしりが別人!とレッスンで言われました。

おしりの筋肉を使えるようになっていたので、レッスンでもすっと力が入るようになっていたんです。

こんなことが多発するのがピラティスの良いところ♪

最近では、高いルルベで無理なくバランスが取れていると先生に言ってもらえるくらいになっています。

自分の身体のクセを理解してくると、バランスが取れない時や回転が不安定な時に、出来ていない所を特定しやすくなるんですよね(全部じゃないですよ)。

それもピラティスから得た事でした。



おわりに

バレエはキレイに見えるまでに長い時間がかかるなと常々思います。

ジャズダンスやフラダンスなどダンスのジャンルはいっぱいありますが、美しく魅せる(見栄えするまで)に時間がかかるダンスではないでしょうか。

レッスンを続けていても「全然上達しないや」「あー下手だな」って落ち込むことはあります。

でも「ここが下手だ」と具体的になってきたときは、伸び時!

物事って、具体的に直したいってなると変化するもの。

あきらめずに続けていきたいです^^

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