こんにちは、マイコです。
バレエ本を読むのが好きで、特にダンサーが語るものに惹かれます。
言葉が無いバレエだからこそ、身体表現にはダンサーの内面がでていると思っていて、それを感じ取るのが舞台鑑賞の醍醐味。
今回は、おすすめのバレエ本をご紹介します。
オーレリ・デュポン 私のパリ・オペラ座日記
美しすぎる写真が多く添えられたオーレリのエッセイ
オーレリ・デュポン 美しきパリ・オペラ座エトワール [ オーレリ・デュポン ]
パリ・オペラ座バレエ団芸術監督のオーレリ・デュポン。オペラ座の名花で世界的ダンサーとしても知られています。
引退間近のオーレリがオペラ座ダンサーとしての日々について綴ったエッセイです。
親友のアニエス・ルティルスの話から始まり、バンジャミン・ミルピエや勅使河原三郎、ピナ・パウシェなど振付家との作品をつくる過程など興味深い話がたくさん。
同僚のダンサーや後輩に思うことなどオーレリの内面を垣間見える本です。
美しい舞台写真や日本公演でのバックステージ写真など目でも楽しめる1冊。
なんといっても表紙!いつみてもうっとりする・・
オーレリのエッセイ以外にも、マニュエル・ルグリやエルヴェ・モロー、アマンディーヌ・アマディッソン、ジェルマン・ルーベなど仲間から見たオーレリの話も。
「オーレリ・デュポン物語」という彼女のバレエ人生をジェラール・マロニが語っています。(ジェラール・マロニは、たくさんのバレエ本を執筆)
PickUp
「オーロラとの決別」
私は自分の仕事にとても厳しいので、レベルが落ちたものを観客のみなさんにお見せしたいとは思わなかったんです。
「シーズン終了」
リハーサルをし、役をもう一度覚え直し、作品に入り込んで、最後の最後で舞台に出られなくなるのは、いつもつらいことです。
「アクシデントを乗り越えて」
残された道は、ジェレミーと二人だけで舞台を務めることでした。マルクが捻挫したのは本番の1時間前、私たちは決断するしかありませんでした。(中略)ふたりで、30分間即興で踊りました。
吉田都 バレリーナ 踊り続ける理由
芯が通った美しさの理由がわかる本
新国立劇場の芸術監督である吉田都さんのエッセイ。
ロイヤルバレエ団のアジア人初のプリンシパルとして活躍されました。
度々、テレビなどのメディアで目にしますが、いつでも芯の通った美しさを放っていますよね。
この本では、都さんの信念やバレエとの向き合い方、ダンサーとしての日常生活について多くが語られています。
イギリスでダンサーとして生きていく過程や男性ダンサーとのパートナーシップ、Kバレエカンパニーに呼ばれた経緯から日常生活のことまで。
ザハロワを恵まれた体を持っていても、甘んじることなく成長し続ける人、と語っている章も印象的でした。
新国立劇場バレエ団の進化・深化は、都さんのこの考え方の元にさらに進むんだろうなと思わせてくれます。
PickUp
「今までの自分によりかからない」
昨日の自分と今日の自分が違うのは当たり前。
しかし、それに気付けるのは自分だけ。
「怖さとの向き合い方」
思考がネガティブになり気持ちがブレると、身体の軸がブレます。心と身体はおもしろいほど繋がっているのです。
「観客も舞台を創る」
英国の観客は厳しい反面、一回の舞台だけでダンサーを評価しません。特にそれが若手の場合は、育っていくのを見守ります。
ブラヴォー パリ・オペラ座エトワールと語るバレエの魅力
パリオペダンサー15名、深い所縁の方4名へのインタビュー
ブラヴォー! パリ・オペラ座エトワールと語るバレエの魅力 [ 三浦雅士 ]
概要
<ダンサー>
- オーレリ-・デュポン
- 二コラ・ル・リッシュ
- バンジャマン・ペッシュ
- ジョゼ・マルティネズ
- マニュエル・ルグリ
- ローラン・イエール
- マリ=クロード・ピエトガラ
- エリザベット・プラテル
- パトリック・デュポン
- モニク・ルディエール
- シャルル・ジュド
- ドミニク・カルフーニ
- ミカエル・ドナール
- ギレーヌ・テスマー
- シリル・アタナソフ
- ローラン・プティ
- ピエール・ラコット
- クロード・ベッシー
- ブリジット・ルフェーヴル
初版:2013年6月20日
タイプ:ダンサーへのインタビュー
写真:ある
評論家 三浦雅士さんのパリオペダンサーへのインタビュー集。
三浦さんはよく評論などをダンスマガジンや新聞などに寄稿していますよね。
舞台を観に行ってもお見かけします。
パリ・オペラ座の黄金期を支えたダンサーへのインタビューは興味深すぎです。
大御所や伝説ともいえる人へのインタビューまであるのは三浦さんの実績の賜物なのでしょうか。
本音も満載のインタビューは読み応え抜群です。
PickUp
オーレリ・デュポン
- オペラ座バレエ学校にはダンス経験3週間で合格(1,500人ほど受験して10名!)
- ベッシーに「あなたは絶対にエトワールになれない」と言われていた
- ピナは、私が本来の自分と違うように振舞っていたことを見抜いた唯一の人
マニュエル・ルグリ
- ヌレエフが飛び級でエトワールに任命してくれた
- パトリック- デュポンが芸術監督になって、世界中でフランスのバレエを見せることができるように
- モニク- ルディエールは、最高のパートナー。シルヴィは才能、モニクは努力だった
パトリック・デュポン
- マックス- ボゾニだけが、ぼくにとっての「先生」
- 無名のコールド時代に受賞したヴァルナの金賞がキャリアが大きく変わるきっかけ
- ノイマイヤーは、ぼくを「ニジンスキーの再来」と感じていた
孤独な祝祭 バレエとオペラで世界と戦った日本人
【番外編】日本で世界一流のバレエ公演を観られる土台を作った日本人
孤独な祝祭 佐々木忠次 バレエとオペラで世界と闘った日本人【電子書籍】[ 追分日出子 ]
ダンサーの本ではなく、東京バレエ団とNBSの創設者 佐々木忠次さんの伝記です。
この本はものすごくオススメしたいです。
舞台鑑賞が大好きなのですが、東京ではロイヤルバレエ団、パリ・オペラ座、ハンブルグバレエ団、マリインスキー、ボリショイなど世界一流のバレエ団が毎年のように来日します。
日本での公演を実現させたのが佐々木忠次さんです。
「引っ越し公演」と呼ばれる舞台セット丸ごともっている豪勢な公演をたった一人で実現した方。
彼の活動は戦後から本格的にスタート。
戦後と言えば、日本は敗戦国で極東のよくわからない国といった評価だったでしょう。
そんな中で、一流バレエ団やアーティストと交渉を続け、日本にやってくる道筋を立てた人なんです。
彼のずば抜けた行動力は、「こんな人が日本にいたのか!」と思わせるほどのもの。
バレエに関心がない男性が読んでも、素晴らしい本だと評していました。
PickUp
- 今は当たり前のガラ公演。一流ダンサーが集う世界バレエフェスティバルを創った
- パリオペラ座の学校公演で来ていたシルヴィ- ギエムをいち早く見出す
- ベジャールにいち早く注目し、来日公演を実現
- コールドの統一美を磨き上げ、ヨーロッパのバレエ関係者を唖然とさせた
- パリオペラ座 ガルニエ宮で公演を許された東京バレエ団
- 16年かけてミラノ- スカラ座の来日公演を実現
- 日本のディアギレフ
▽マンガは読みやすいです。(本の方がドラマティック)